ネガティブな弁護士

この記事を読んで、どう思われるでしょうか。実際に皆さんがもし同じような問題に直面したら、どうするでしょうか。法律相談に行ったら、あまり難しいことは抜きに、「何も問題ありません。大船に乗ったつもりで私に任せなさい。何とかしますから」と言ってくれる弁護士と、「いろいろと問題がありますね」とか「裁判にすると大変ですよ、かくかくしかじかも覚悟してください」などと難しそうなことばかり言う弁護士に出会ったとします。

皆さん、どちらの弁護士に頼むでしょうか? 大方の人間の心理としては、前者に頼むだろうと思います。頼もしいし、何となく勇気づけられるから、というところでしょうか。

しかし現実には、先のような「弁護過誤」のケースになってしまうかもしれないのです。というより、傍目には、そうなる可能性が高いといっていいと思われます。こういうこともあって、弁護士の先輩・後輩の間では、事件の依頼かおるかどうかは非常に微妙な駆け引きによって決まる、などということが伝授されたりしています。

「あまりネガティブなことを言うのはいけないが、あまり言わなすぎてもいけない」というのです。ネガティブなことを言い過ぎると依頼者は逃げてしまうが、あまり期待させると、後で期待を裏切るようなことになったときに怖いから、というのがその理由です。